民泊の集客は何から?インスタの前に決める「誰に・何を・どこで」
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読了目安 約9分
執筆:アキヤド編集部
監修:石原 佑真
民泊の集客は、インスタや広告を始める前に「誰に・何を・どこで」を決めるのが先です。初心者向けに3つの決め方を順番に整理し、実際の宿の例とチェックリストで、自分の宿に当てはめられます。
この記事のポイント
- 手段を選ぶ前に3つ決めると、順番に進めやすくなります。誰に・何を・どこで、の順です。
- 泊まってほしい人を絞ると、部屋の準備が決まります。全員に向けると、写真も設備も中途半端になりがちです。
- 約束を増やす前に、信じてもらえる理由を確かめます。理由になるのは設備・レビュー・写真です。
- インスタは、届けたい人が使っていると分かってからで十分です。開業直後は、旅行者がすでに探している場所が先になりやすいです。
- 公開前に知人に泊まってもらうと、初回の低い評価を避けやすくなります。試しに泊まってもらうことをプレオープンといいます。
民泊の集客とは?
民泊の集客とは、泊まってほしい人に宿を知ってもらい、選んでもらうことです。インスタや広告は、そのための手段の一つにすぎません。この記事では、手段を選ぶ前に決めたい「誰に・何を・どこで」の3つを、順番に説明します。
開業全体の流れは民泊を始めるまでの7ステップにあります。この記事は、その次にあたる「集客の最初の一歩」です。
集客は、広告を出すことだけではありません。宿を知ってもらってから、泊まって人に勧めてもらうまでの全体です。旅行者が泊まるまでには、段階があります。どこで止まっているかを見ると、直すところが分かります。
旅行者が泊まるまでの6段階
- 01
知る
宿を見つけてもらえていない
- 02
興味を持つ
気になっても、先へ進まれない
- 03
比べる
写真や説明で比べられて選ばれない
- 04
決める
予約する決め手がない
- 05
泊まる
期待と実際がずれる
- 06
人に勧める
レビューや口コミにつながらない
※ この考え方は RIVIA&CO. の整理です。各段階の下は、そこで止まる理由の例です。
開業したばかりの宿は、ほとんどの人にまだ知られていません。だから最初の課題は、「知る」と「比べる」の段階だと考えています。手順3は「知る」、手順2は「比べる」の課題にあたります。
※ この記事の「最初は〜が先」という見方は、統計で確かめたものではなく、私たちの考えです。
用語を二つ、先に説明します。
- 予約サイト:Airbnb や Booking.com のように、宿を載せて予約を受ける仕組みです。OTA ともいいます。
- レビュー:泊まった人がつける評価と感想です。次に探す人が、宿を選ぶ材料にします。
何から始める?手段の前に、3つの問いに答える
「誰に」「何を」「どこで」の順に決めます。インスタなどの手段から考え始めると、予約が入らない理由が分からなくなります。
「部屋づくりに時間とお金をかけたのに、予約が入らない」「何から手を付けるか分からない」という声が見られます。
民泊運営者の中には、予約が入らない物件にはエリア・インテリア・スマホで撮った写真に問題があることが多い、と話す人もいます。部屋の出来の前に、「誰に向けて、どこで見せるか」を決めることが大切だ、と私たちは受け取りました。
手段を先に決めると、それが泊まってほしい人に合っているのか、確かめようがありません。私たちが下田で開業したときは、相手を絞って設備にお金をかける先を決め、早い時期に Airbnb のスーパーホストの要件を満たす、という順に進めました。手段から考え始めたわけではありません。
決める順番は、この3つ
- 01
誰に
泊まってほしい人を書く
- 02
何を
用意と約束を書く
- 03
どこで
見つけてもらう場所を書く
※ 紙に書く欄を3つ作り、左から順に埋めます。
進め方は、次の4ステップです。
- 誰に:泊まってほしい人を一人に絞る
- 何を:用意するものと、約束することを決める
- どこで:その人が宿を探している場所を選ぶ
- 公開前に試す:知人に泊まってもらい、直す
手順1:誰に泊まってほしいかを、一人に絞る
泊まってほしい人を一人に絞ると、写真・設備・料金の判断がぶれにくくなります。
絞り方の例を、表にしました。
※ 一般的な例で、実績ではありません。考え方を見るための例です。
ワーケーションは、旅行先で休暇と仕事を組み合わせる過ごし方です。
私たち創業メンバーが、静岡県伊豆半島の南端にある下田市で個人事業として開業した宿は、欧米を中心とした外国人の長期滞在者に絞りました。旅をしながら働くノマドワーカーも、その一例です。清掃の回数を抑え、現地に行かずに済むよう、長期滞在とセルフチェックイン(鍵の受け渡しを対面でなくスマートロックなどで行う方法)を前提にしています。
絞る手がかりは、次の3つの質問です。
絞る手がかりの3つの質問
- 01
どこから来ますか
国や地域、移動の手段
- 02
何日泊まりますか
1泊か、長期か
- 03
何を楽しみにしていますか
旅の目的
絞らないとどうなる?
全員に向けた宿は、誰が見ても「自分のための宿」に見えにくくなります。写真に載せるもの、置く設備、料金の理由がそろわないためです。絞っても、ほかの人が泊まれなくなるわけではありません。
下調べにつかえる公的な統計
観光庁『宿泊旅行統計調査』は日本人と外国人の延べ宿泊者数を、JNTO『訪日外客統計』は国籍・月別の訪日外客数を、観光庁『インバウンド消費動向調査』は訪日外国人旅行者の旅行中の消費を公表しています。どの国の人が、いつ来るかを調べる入口になります。
需要の全体像は訪日市場データの記事、長期滞在の見方は長期滞在の旅行者の記事にあります。
手順2:何を用意し、何を約束するか決める
約束は、信じてもらえる理由がある範囲に限ります。理由になるのは、設備・レビュー・写真です。
「長く滞在するので、家のように仕事と食事をしたい」という人に、「仕事と自炊が整った宿」と約束します。その理由は、設備と、泊まった人のレビューです。約束とその理由を並べて考えると、ページに書く内容が決まります。
下田の宿では、長く泊まる人が毎日することに合わせて、設備を選びました。
マットレスとワークデスクにお金をかけ、小物はコストを抑えました。洗濯機と乾燥機、調理器具は、泊まった人のレビューで評価されました。
絞ってから、信じる理由になるまで
- 01
絞る
泊まってほしい人を決める
- 02
設備が決まる
お金をかける先を選べる
- 03
レビューで評価される
泊まった人が書く
- 04
信じる理由になる
次に探す人が読む
相手を絞ったので設備の優先順位が決まり、それがレビューでの評価につながった、というのが私たちの見方です。
※ 「絞ったから必ず評価された」と言い切れる話ではありません。
実績のない強みは、約束に入れません。レビューが0件の開業直後は、料金を抑えて評価を集めました。設備の細かい選び方は長期滞在ゲストの設備の記事、写真と紹介文は掲載ページの作り方にあります。
手順3:どこで見つけてもらうか選ぶ
泊まってほしい人が、宿を探している場所を選びます。はやっている手段だから、という理由では選びません。
開業直後の宿は、ほとんどの人に知られていません。「知る」の段階が課題なので、旅行者がすでに探している場所を先にする、というのが私たちの考えです。
予約サイトと自社サイトの使い分けは、予約サイトと自社予約の記事で詳しく扱います。
下田の宿でも、夏の需要(海水浴・サーフィン)を逃さないよう、早い時期にスーパーホストの要件を満たしました。スーパーホストは、Airbnb が一定の基準を満たしたホストに付ける称号です(基準の詳しい定義は、Airbnb 公式ヘルプで確認を)。
各サービスの条件は変わります
掲載の条件、手数料、規約は、使う前に各サービスの公式ページで確認してください。
インスタは、始めたほうがいいのか
届けたい人が使っているかを確かめてから決めます。あわせて、更新を続ける時間があるかも考えます。
インスタは、主に「興味を持つ」段階に働く手段です。開業直後の課題である「知る」「比べる」より、あとに効きやすいと見ています。「SNSは成果が見えにくい」という迷いの声も見られるため、効果の大きさではなく、始めてよい状態かを、4つの項目で確かめます。
始める前の4項目
- □ 絞った相手は、インスタで宿や旅先を探しているか
- □ 載せる写真と話題が、すぐに5つ以上あるか
- □ 週に決めた回数、更新を続ける時間があるか
- □ プロフィールから、予約できるページへ進めるか
4項目のうち、そろうのが2つ以下なら、いまは手順1〜3を整えるほうが先です。
※ 「5つ以上」や項目数は目安で、決まりではありません。インスタの効果は宿や相手によって違うため、この記事では数字を示しません。
広告は後回しでよい理由
中身が弱いまま広告を出すと、見られても選ばれにくいと考えています。まず設備・写真・レビューという「選ばれる理由」を整えてから、というのが私たちの方針です。
※ 他の人に宣伝を頼む場合の表示のルールは、消費者庁の公式ページで確認してください。
公開の前に、何を確かめるか
公開の前に知人に泊まってもらい、不具合と伝わり方を確かめます。初回に低い評価がつくと、あとから立て直しにくいという意見があるためです。
プレオープンは、旅館業の許可や住宅宿泊事業の届出など、必要な手続きを済ませたうえで行います。手続きの種類は、観光庁の民泊制度ポータルサイトで確認できます。
民泊運営者の中には、予約サイトへの登録は1日でできるので、先にプレオープンで知人に泊まってもらい、不具合を直しておく、という人もいます。初回のゲストで低い評価がつくと立て直しにくい、という意見です。
公開前の5項目
- □ 誰に(一人)を、一行で書ける
- □ 何を(用意と約束)を、3つ書ける
- □ どこで(最初の場所)を、一つ選んだ
- □ 泊まってほしい人に近い知人に、泊まってもらった
- □ 泊まった人の声で、ページの説明を直した
まとめ:手段を選ぶ前に、紙に3つ書く
紙に「誰に・何を・どこで」を書くところから始めます。書けない項目が、次に調べることです。
決まったら、手段別の記事に進みます。予約サイトと自社予約はこちら、写真と紹介文はこちら、レビューはゲストレビューの記事です。順番に進める人は副業ではじめるガイドにまとめています。
手が回らないときは、WEB集客支援で相談を受けています。
※ 予約数や収益は、立地や時期で変わり、この記事の方法でも保証できません。
よくある質問
Q民泊の集客とは何ですか?
A泊まってほしい人に宿を知ってもらい、選んでもらうことです。広告やSNSは、その手段の一つです。
Q民泊の集客は何から始めればよいですか?
A手段より先に、誰に・何を・どこで届けるかを決めます。紙に3行で書けるかが、最初の確認です。
Q泊まってほしい人は、一人に絞らないといけませんか?
A絞ると、写真・設備・料金の判断がぶれにくくなります。絞っても、ほかの人が泊まれなくなるわけではありません。
Qインスタは始めたほうがよいですか?
A届けたい人が使っているかを確かめてから決めます。続ける時間があるかも考えます。効果は宿によって違い、一律には言えません。
Q開業したばかりで、レビューがありません。何を優先しますか?
A公開前に知人に泊まってもらって直します。そのうえで、私たちが下田で開業したときは、開業直後は料金を安めにしてレビューを集め、高評価が5件ほどたまってから段階的に上げました。初めてのゲストからは★5をもらっています(詳しくは「掲載ページの作り方」の記事)。
参考資料(4件)
※ 本記事の数値・制度は公開日時点で公表されている資料にもとづきます。最新の情報は各機関の発表をご確認ください。
この記事を書いた人
アキヤド編集部
合同会社RIVIA&CO.のメディア編集部。空き家の再生から宿泊施設の運営・開業支援、WEB集客・採用支援まで、自ら宿を運営する当事者の視点で、地域の価値を活かすための情報をお届けします。
この記事の監修者
石原 佑真合同会社RIVIA&CO. 代表社員
株式会社リクルートの新規事業開発室で事業の立ち上げを経験し、その後ベンチャー企業で新規事業の創出と組織の拡大を牽引。RIVIA&CO.を共同創業し、空き家の再生と宿の運営・開業支援に携わる。