「民泊は大変」って本当?よく聞く5つの課題と、実際の乗り越え方
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読了目安 約3分
執筆:アキヤド編集部
監修:石原 佑真
民泊は「手続きが難しい」「近所とトラブルになる」「清掃が回らない」「閑散期に赤字になる」と聞いて、不安に思う方も多いはずです。よく聞く5つの課題と、実際にどう乗り越えるかを整理します。
この記事のポイント
- つまずきやすい点は5つに絞れるので、先に知っておくと備えられます。よく聞く課題は、手続き・近隣との関係・清掃と運営・季節の波・初期費用です。
- 多くの課題は、事前の確認と仕組みづくりで小さくできます。防げるものも、小さくできるものもあります。
- 自分でできない部分は、人に任せて補えます。運営を任せる、借り上げてもらうといった方法があります。
「民泊は大変」と言われる課題は、本当にあるのか?
あります。ただ、つまずきやすい点は手続き・近隣との関係・清掃と運営・季節の波・初期費用の5つに絞れるので、先に知っておくと備えられます。多くは事前の準備で小さくできると私たちは考えています。下の図に、それぞれの向き合い方を一言で並べました。
民泊でよく聞く5つの課題
- 01
手続き
順番を知れば進められる
- 02
近隣との関係
ルールと連絡先で防ぐ
- 03
清掃と運営
仕組みにして、任せる
- 04
季節の波
料金と長期滞在で備える
- 05
初期費用
改修の範囲を絞り、補助金も確認
以降は、下田の宿(創業メンバーが開業した賃貸の一棟貸し)で実際に起きたことを交えて、一つずつ見ていきます。
手続きと近隣との関係は、どう進めればよいのか?
多くの課題は、事前の確認と仕組みづくりで小さくできます。順番を決めて進めれば、手続きも近隣との関係も、大きな問題にせずに済みます。
下田の宿は、旅館業法の簡易宿所の許可を取りました。開業の2か月前に保健所と消防署へ事前相談し、自分で申請して、許可まで1〜2か月かかっています。物件を決める前に法令・条例・消防を確かめ、そのあとに届出や許可申請へ進む流れは、民泊を始めるまでの7ステップで解説しています。
近隣では、開業前の工事のときに、工事車両の駐車について指摘を受けました。私たちの印象では、近隣の不安は騒音・ごみ・駐車に集まりやすく、宿泊者へのルールの説明、近隣への事前のあいさつ、連絡先の共有で小さくできると考えています(近隣トラブルを防ぐルールづくり)。
清掃と運営は、本業がある人でも回せるのか?
仕組みにして任せれば回せます。自分でできない部分は、人に任せて補えます。私たちの宿は、現地に行くのは月に1回ほどです。
清掃は近隣の個人事業主に依頼し、最初に一緒に掃除をして手順を伝え、完了後は写真で確認しています。鍵はスマートロック、問い合わせは日英の定型文とAIチャットボットで対応しました。開業2か月目には、自分が行かなくても回る体制になっています。
一方で、開業までは「もう一つの本業」のつもりで動く必要がありました。本業のあとや休憩時間に、備品の手配や工務店との打ち合わせを重ねる日が続いたのです。遠方での仕組みは遠方の物件でも運営できる?で紹介しています。
お金の課題は、どこで膨らみ、どう備えるのか?
膨らみやすいのは、改修の追加費用と、閑散期の固定費です。
私たちの宿で膨らんだ点は、次のとおりです。
改修の進め方は遠方からの改修工事の進め方で紹介しています。
季節の波では、1年目の月の稼働率が、開業月の7月を除く8〜3月の8か月で33%〜71%の間で動きました。家賃などの固定費は予約が少ない月も同じで、備品の買い替えが重なった1月は赤字になっています(閑散期の乗り越え方)。
まとめ:大変さの多くは、事前の準備で小さくできる
民泊が「大変」と言われるのは、準備や仕組みがないまま始めてしまうケースが多いからだと考えています。私たちの宿でも、インターネット回線の工事が繁忙期と重なって、申し込みから2か月以上かかるなど、早めに確かめておけば小さくできた課題が目立ちました。
自分でできない部分は、人に任せて補えます。課題を知り、自分で担う部分と任せる部分を分けておけば、無理なく続けられます。運営を任せる運営代行や、事業者による借り上げを選ぶ方法もあります。
よくある質問
Q本業があっても民泊はできますか?
Aできます。創業メンバーも会社員として私たちの宿を開業し、清掃の外注とスマートロックなどで、現地に行くのは数か月に1回ほどにしました。必要に応じて運営の一部を任せる方法もあります。
Q近隣との関係では、何に気をつけますか?
A私たちが経験したのは、開業前の工事車両の駐車についての指摘です。宿泊者へのルールの説明、近隣への事前のあいさつ、連絡先の共有を先に済ませておく進め方を、記事「近隣トラブルを防ぐルールづくり」にまとめています。
Q赤字にならないか心配です。
A始める前に、最も稼働が落ちる月の稼働率で資金繰りを試算します。私たちの宿は1年目の月の稼働率が(開業月の7月を除く8〜3月で)33%〜71%で動き、備品の買い替えが重なった1月は赤字でした。
参考資料(3件)
- アキヤドが運営に関わる宿(静岡県下田市)の運営記録
- 観光庁「民泊制度ポータルサイト」
- 観光庁「住宅宿泊事業の届出状況」
※ 本記事の数値・制度は公開日時点で公表されている資料にもとづきます。最新の情報は各機関の発表をご確認ください。
この記事を書いた人
アキヤド編集部
合同会社RIVIA&CO.のメディア編集部。空き家の再生から宿泊施設の運営・開業支援、WEB集客・採用支援まで、自ら宿を運営する当事者の視点で、地域の価値を活かすための情報をお届けします。
この記事の監修者
石原 佑真合同会社RIVIA&CO. 代表社員
株式会社リクルートの新規事業開発室で事業の立ち上げを経験し、その後ベンチャー企業で新規事業の創出と組織の拡大を牽引。RIVIA&CO.を共同創業し、空き家の再生と宿の運営・開業支援に携わる。