民泊の近隣トラブルを防ぐには?騒音・ごみ・駐車のルールづくりと伝え方
公開日
更新日
読了目安 約3分
執筆:アキヤド編集部
監修:石原 佑真
民泊のトラブルで多いのが、騒音・ごみ・駐車など近隣との関係です。開業前の近隣へのあいさつ、宿泊者へのルールの伝え方、困ったときの連絡体制など、トラブルを防ぐための準備をまとめます。
この記事のポイント
- 近所とのもめごとは、4つのきっかけを知っておけば防ぎやすくなります。私たちの見方では、きっかけは騒音・ごみ・駐車・人の出入りです。下田では工事車両の駐車で指摘を受けました。
- 開業前にあいさつしておくと、近所の不安を減らせる場合があります。両隣・向かい・自治会へ、用途と連絡先を伝えておきます。
- ルールを3回に分けて伝えると、ゲストに届きやすくなります。予約時・到着の前・館内の3回に分け、場面ごとに必要なことだけ伝えます。
近隣トラブルは、何をきっかけに起きるのか?
近所とのもめごとは、4つのきっかけを知っておけば防ぎやすくなります。私たちの見方では、きっかけは騒音・ごみ・駐車・人の出入りの4つに集まります。夜の話し声、収集日や分別の誤り、決められた場所以外への駐車、見知らぬ人が出入りすることへの不安です。
住宅宿泊事業法でも、周辺への配慮として、宿泊者への説明や苦情への対応が求められています。
私たちの下田の宿でも、開業前に Wi-Fi の工事車両の駐車について、近隣の方から指摘を受けました。宿泊者ではなく工事の段階でも、近隣の不安は起こりうると学んだ出来事でした。
開業前に、近隣へ何を伝えておくのか?
開業前にあいさつしておくと、近所の不安を減らせる場合があります。両隣や向かいの家、自治会に、宿として使うこと、どんな人が泊まるか、困ったときの連絡先を伝えておきます。
連絡先を渡しておけば、何かあったとき、近隣の方は宿泊者ではなく運営者へ直接連絡できます。自治体によっては事前の周知を求めている場合があるため、条例の有無は保健所や自治体に確かめてください。
下田で工事車両の駐車を指摘された経験から、私たちは、工事の前からあいさつと連絡先の共有を済ませておくほうがよかったと考えています。地域の人から見れば、外から来た事業者です。いかに不安にさせないかが、あいさつの目的だと考えます。開業までの手順は、「民泊を始めるまでの7ステップ」で説明しています。
宿泊者へのルールは、いつ、どう伝えるのか?
ルールは3回に分けて伝えると、ゲストに届きやすくなります。予約のとき、到着の前、館内の3回です。1回で長く伝えるより、場面ごとに必要なことだけを見せるほうが、読み飛ばされにくいと考えています。
宿泊者へのルールの伝え方
- 01
予約のとき
予約ページに書く
- 02
到着の前
案内と一緒に送る
- 03
館内で
見える場所に置く
予約のときは、予約ページに静かに過ごしてほしい時間や駐車のルールを書いておきます。到着の前には、チェックインの案内とあわせて、ごみの出し方や騒音のルールを送ります。館内では、玄関や居間に分かりやすい案内を置き、外国語の案内も用意します。
ごみは、分別のルールが複雑なため、私たちの宿では宿泊者に「室内にまとめて置いてもらい、清掃のときに分別して出す」形にしています。宿泊者に無理をさせない仕組みにすることも、近隣とのトラブルを防ぐ工夫の一つです。
近隣から連絡が来たとき、誰がどう動くのか?
連絡先を一本にまとめ、夜間でも宿泊者に注意を伝えられる体制をつくっておきます。
夜中に苦情の連絡が来たときは、まず宿泊者に連絡して注意を伝え、近隣の方には対応したことを伝えます。近隣から連絡があったときに、すぐ対応できるかが、その後の関係を左右すると考えるからです。家主が不在の民泊では、住宅宿泊管理業者が苦情への対応を担います(住宅宿泊管理業者とは)。
私たちの宿は、運営する人の住まい(開業のころは静岡市、いまは東京)から離れています。遠方の宿では、近隣から連絡が来たときに誰が最初に受けるかを、開業前に決めておくことが大切だと考えます。遠方からの運営の仕組みは、「遠方の物件でも運営できる?」で説明しています。
まとめ:トラブルは「事前の説明」で多くを防げる
近隣トラブルは、事前の説明とルールの伝え方で小さくできると、私たちは考えています。開業前のあいさつ、3回に分けたルールの案内、一本化した連絡先の3つが基本です。
地域の一員として受け入れてもらえることが、宿を長く続けるためのいちばんの土台です。運営の体制づくりに迷うときは、宿の運営代行でご相談を受けています。
よくある質問
Q近隣への説明は必須ですか?
A自治体によっては、事前の周知を求めている場合があります。条例の有無にかかわらず、あいさつと連絡先の共有は開業前に済ませておくことをおすすめします。
Q夜中に苦情の連絡が来たらどうすればよいですか?
Aまず宿泊者に連絡して注意を伝え、近隣の方には対応したことを伝えます。夜間も連絡がつく体制をつくっておきましょう。
Q外国人の宿泊者にルールを伝えるには?
A英語などの案内を用意し、ごみの置き場や駐車位置は写真で示します。私たちの宿では、日英の定型文を使い、ごみは室内にまとめてもらう形にしています。
参考資料(3件)
- アキヤドが運営に関わる宿(静岡県下田市)の運営記録
- 観光庁「民泊制度ポータルサイト」
- 住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)
※ 本記事の数値・制度は公開日時点で公表されている資料にもとづきます。最新の情報は各機関の発表をご確認ください。
この記事を書いた人
アキヤド編集部
合同会社RIVIA&CO.のメディア編集部。空き家の再生から宿泊施設の運営・開業支援、WEB集客・採用支援まで、自ら宿を運営する当事者の視点で、地域の価値を活かすための情報をお届けします。
この記事の監修者
石原 佑真合同会社RIVIA&CO. 代表社員
株式会社リクルートの新規事業開発室で事業の立ち上げを経験し、その後ベンチャー企業で新規事業の創出と組織の拡大を牽引。RIVIA&CO.を共同創業し、空き家の再生と宿の運営・開業支援に携わる。