この記事のポイント
更地にすると、固定資産税が上がりやすくなります。 住宅が建つ土地の税を軽くする仕組み(住宅用地の特例)が外れ、税の計算のもとになる金額(課税標準)が土地の価格のままになるためです。 相続した古い家は、壊して売っても税が軽くなる場合があります。 売った利益から最大3,000万円を引ける特例(3,000万円控除)が使える場合があります。亡くなった人が住んでいた家で、昭和56年5月31日以前の建築、売却代金1億円以下など、条件があります。 解体費は、地中のがれきの有無で大きく変わる場合があります。 実例は200万〜400万円台で、相場ではありません。地中に埋まっていたがれき(ガラ)で200万円増えた例もあります。 解体の補助は、あっても小さい額にとどまる場合があります。 補助は自治体ごとに違います。静岡県35市町の例では、解体費の補助が載っていたのは19市町で、基本の上限は30万円が最多でした。 残して直すなら、壊してみて費用が増える場合があります。 一例は約410万円で、下田の賃貸物件の内装改修です。持ち家の費用には当てはまりません。
空き家は、壊すか残すかを何で比べるのか?
税 :更地にすると、住宅が建つ土地の税を軽くする仕組み(住宅用地の特例)が外れ、課税標準(税の計算のもとになる金額)は価格のままに なります。 売るときの特例 :亡くなった人が住んでいた古い家を相続して売る場合(昭和56年5月31日以前の建築、売却代金1億円以下など)は、取り壊し後の敷地の売却も、譲渡所得(売って得た利益)から差し引ける3,000万円控除の対象になることがあります。買った家には 使えません。 解体費 :公的な相場の資料はなく、公開されている実例は200万〜400万円台と幅があります。見積もりは残置物(家に残された家財)・地中のガラ(埋まっていたがれき)・アスベスト(古い建材に含まれる有害な繊維)で 見比べます。 補助 :自治体ごとに違います。静岡県35市町の例では、解体費の補助が載っていたのは19市町で、金額は小さく、危険な空き家に 絞られていました。 残す場合 :壊してみるまで梁・柱・下地は見えません。創業メンバーの改修の記録から、費用と分かることを 紹介します。
更地にすると、固定資産税はどう変わるのか?
解体後の
| 自治体 | 内容 | 条件 |
|---|---|---|
| 長泉町 | 住宅用地特例との | |
| 伊豆市 |
解体して売ると、税の特例は使えるのか?
取り壊して売る :家屋の全部を取り壊してから敷地を売る。相続から売るまで事業・貸付け・居住に使わず、取り壊してから売るまで敷地を建物などの敷地に 使わない。 現状で売る :家屋を現状のまま売り、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に、一定の耐震基準を満たすこととなったか、家屋の全部の取壊し等が行われたときも対象です(取壊しの場合は令和6年1月1日以後の譲渡。相続から譲渡まで事業・貸付け・居住に使わないことなど、ほかの 要件あり)。 期限・金額 :令和9年12月31日までの譲渡で、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、相続人が売る。売却代金は1億円以下。親子や夫婦など特別の関係がある人への 売却は対象外。
解体費は、実際にいくらかかった人がいるのか?
公開されている
| 事例 | 金額 | 内訳・ |
|---|---|---|
| 築65年の家の | 合計約400万円 | |
| 古家付きの | 見積もり約220万円 | |
| 約310万円から | 業者を |
アスベストの事前調査のルールを見る
自分の自治体の解体補助は、どう調べればよいのか?
探し方 :「自治体名 空き家 除却 補助」で検索し、 公式ページを開く。 申請のタイミング :着工前(契約前)の申請が条件か。静岡県の例では、除却後の申請を認めない市町が 複数ありました。 建物の条件 :築年(昭和56年5月31日以前など)、危険度の判定(不良度、耐震診断の結果)、特定空家などの条件に 当てはまるか。 受付期間と予算 :受付期間と、予算の残り。静岡県の例では、予算の上限に達して年度の途中で受付を終えた市町が ありました。 相談窓口 :空き家を担当する課の連絡先。最新の要綱は窓口で 確かめます。
国の制度は、個人でも使えるのか?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | |
| 除却の対象 |
静岡県35市町を例に見ると?
上限額 : 基本の上限は30万円が9市町で最多です。所有者・相続人が申請する場合の基本の上限では、静岡市の100万円が最大で、熱海市と沼津市が80万円です。南伊豆町は行政区の申請で300万円、伊豆市は土地を市に寄附する場合に300万円という例外が あります。 補助率 : 解体費の23%から4/5まで幅が あります。 対象の絞り方 : 11市町が「昭和56年5月31日以前の建築」を条件の一つにしています(どちらか一方でよい場合を含む)。ほかに、倒壊のおそれ、不良度の判定、特定空家などの条件が あります。 受付終了 : 島田市、川根本町、沼津市、富士市が、予算の上限に達して今年度の受付を終えています。静岡市は当初予算分が終了で、補正予算の議決後に受付を案内する 予定です。
静岡県の市町ごとの補助は、いくらで何が条件なのか?
静岡県西部・中部の11市町の表を見る(※2026年10月時点)
| 市町 | 補助率・上限 | 主な条件 | 2026年度の状況 |
|---|---|---|---|
| 浜松市 | 1/3・50万円 | 事前相談は | |
| 静岡市 | 母屋の | 耐震診断で | |
| 磐田市 | 1/2・50万円 | 受付期間は | |
| 袋井市 | 23%・40〜50万円 | 昭和56年5月以前、 | 年度途中で |
| 掛川市 | 1/2・30万円 | 予算が | |
| 菊川市 | 23%・30万円 | 着手前に申請 | |
| 御前崎市 | 市長の | 今年度の | |
| 島田市 | 受付停止。 | ||
| 焼津市 | 1/3・30万円 | 2027年2月28日まで | |
| 藤枝市 | 23%・30万円 | ||
| 川根本町 | 1/2・30万円 | 昭和56年5月31日より前の建築 | 7月31日に |
静岡県東部・伊豆の8市町の表を見る(※2026年10月時点)
| 市町 | 補助率・上限 | 主な条件 | 2026年度の状況 |
|---|---|---|---|
| 伊東市 | 1/2・30万円 | ||
| 熱海市 | 4/5・80万円 | 予算枠に | |
| 南伊豆町 | 昭和56年5月31日以前、 | 着手前に申請 | |
| 伊豆市 | 1/2・50万円 | 建築物 | 受付期間は |
| 沼津市 | 80%・80万円 | 予算は終了 | |
| 御殿場市 | 4/5・30万円 | 不良住宅と | 受付期間は |
| 富士市 | 10月7日時点で | ||
| 富士宮市 | 4/5・50万円 | 特定空家など、 | 解体前に |
伊豆市 : 「老朽空家等除却支援事業」は「建築物(木造住宅を除く)」が対象です。木造の空き家には、別の耐震目的の「木造住宅除却事業」(昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅。空き家を含む)が、同じ伊豆市のページに 載っています。 沼津市 : ページに、昭和56年以前に建築された木造住宅の除却助成事業が別にあると 書かれています。 南伊豆町 : 300万円は行政区(自治会)の代表者が申請する場合の上限で、所有者・相続人は 50万円です。
補助は、なぜ使いにくいのか?(静岡県の例から)
危険な空き家だけ
築年の線引き
壊す前に申請
予算切れ
更地まで求める
横にスワイプで
残して直すと、いくらかかるのか?壊す前に何が分かるのか?
工事費を抑えるため、間仕切り・押し入れ・古い洗面所などを自分で 解体した。 壊してみて梁・柱・下地が分かり、設計や家具の手配の精度が 上がった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改修工事 | |
| 準備期間 | 約7か月 |
| 発注 | 3社の |
| 補助金 |
河津町:改修は工事費の20%、 上限20万円。 西伊豆町:改修工事費の1/2、最大50万円。家財処分は4/5、 最大10万円。 松崎町:改修工事費の1/2または50万円の少ない額。家財処分は4/5または10万円の 少ない額。
解体して売る・残して直す・古家付きで売るを比べると?
三つの
解体して売る
更地にして売る
- 費用:実例では
200万〜400万円台 - 税:住宅用地の
特例が 外れる。 取り壊し後の敷地の売却は、条件を満たせば3,000万円 控除の対象 補助:静岡県の例では、確認できた19市町で 上限30万円が最多。 - 危険空き家に
絞られる
残して直す
費用:一例は約410万円(賃貸物件の内装改修で、持ち家の改修費には 一般化できない) - 税:住宅用地の
特例が続く。 - ただし勧告を
受けると外れる 補助:静岡県では、空き家バンク登録物件の改修への補助が3町で 確認できた
古家付きで売る
建物ごと売る
費用:古家付きで売ると、買主が解体する条件に なることがあります。 買主として解体した人の実例では、見積もり約220万 円でした。 税:全部が取り壊されたとき(売却の翌年2月15日までに。令和6年1月1日以後の譲渡。被相続人が住んでいた家屋など、ほかの要件あり)は、3,000万円控除の対象になる 場合があります 補助:解体補助は所有者の申請が前提で、売却では使えない 場合がある
まとめ:補助は「あれば助かる」程度、判断の軸は税と売り方
よくある質問
Q更地にすると固定資産税は何倍になりますか?
Q解体費の相場はいくらですか?
Qすでに解体してしまった後でも、補助は申請できますか?
Q昭和56年6月以降に建てた空き家は、補助の対象になりますか?
Q静岡県の35市町で、解体の補助の上限がいちばん高いのは?
参考資料(38件)
浜松市「浜松市空家等除却促進事業費補助金」(令和8年度=2026年度) 静岡市「空き家建替え促進事業補助金」(2026年度) 磐田市「磐田市危険空き家等除却事業費補助金」(2026年) 袋井市「木造住宅の除却・建替えに関する補助制度」(2026年) 袋井市「空き家跡地利用のための空き家除却支援事業」(2026年) 掛川市「掛川市空き家除却事業費補助金」(令和8年度=2026年度) 菊川市「空き家等除却事業費補助金」(2026年) 御前崎市「御前崎市危険空家除却事業費補助金」(2025年) 島田市「空き家解体事業費補助金」(令和8年度=2026年度) 焼津市「空き家除却事業補助金」(令和8年度=2026年度) 藤枝市「空き家解体・除却事業費補助金」(令和8年度=2026年度) 川根本町「空家等除却事業費補助金」(令和8年度=2026年度) 河津町「空き家活用支援補助金」(2026年) 松崎町「空き家改修等補助金」(2018年) 西伊豆町「空き家改修等補助金」(2026年) 湖西市「空き家の解体に関する補助金」(2025年) 伊東市「廃屋解体・撤去補助金」(2024年) 熱海市「老朽危険空家除却事業」(2024年) 南伊豆町「老朽危険家屋等解体撤去補助金」(2023年) 伊豆市「老朽空家等除却支援事業補助金」(令和8年度=2026年度) 沼津市「空家等除却事業費補助金」(令和8年度=2026年度) 御殿場市「不良住宅除却補助事業」(2026年) 富士市「危険空家除却促進補助金」(2026年10月7日時点) 富士宮市「空家等除却費補助金交付制度」(2025年) 下田市「令和8年度 耐震等の補助一覧」(2026年) 下田市議会 令和5年12月会議録(2023年) 長泉町「木造住宅除却支援事業」(2025年4月10日更新) 長泉町「住宅を除却した土地の固定資産税の減免」(2024年) 国土交通省「空き家対策総合支援事業」(令和8年度=2026年度) 総務省「やさしい地方税 固定資産税」(2026年) 横浜市「土地の特例」(2026年4月8日更新) 国土交通省「空き家対策特設サイト」(2024年) 国土交通省住宅局「『空家法』と『2023改正空家法』」(2023年) 国税庁「タックスアンサー No.3306」(令和8年4月1日現在=2026年4月1日現在の法令等) - 鹿児島県
「石綿事前調査」 (2026年) noteの個人の投稿「築65年戸建の解体・売却やってみた」(2025年4月28日) noteの個人の投稿「【古家付土地】解体工事にかかる費用」(2025年11月1日) note(関西解体業者紹介センター【公式】)「【貝塚市】解体費用が高かった…実際に下がった事例」(2025年9月4日)

